第10回『禁演落語を聞く会』

六尺棒』 快楽亭ブラ坊
『首ったけ』 立川談之助
『高尾』 柳家蝠丸
仲入り
『特別対談・似た者師匠』 談之助・蝠丸
『二階ぞめき』 立川談之助

開口一番は初めての前座さん。ブラック師匠のお弟子さん。お名前は現在の吉幸さんのが名乗っていたような記憶がある。前座さんにしてはめずらしい演目かなあ。なるほどこの噺もこんなに短くなるんだと変なところで感心する。さて談之助師匠は前回伺った第8回同様、長い枕から噺に入った。今回の会は『六尺棒』以外は全て始めて聴くもので、確かにそんなにおもしろいものではなく、冒頭でも言っていたが落ちが全てのお話であった。続いての蝠丸さんは一度聴いてみたかった師匠。飄々として楽しい。この噺はほとんど地噺で本当に演れば5分ぐらいで終わるみたいだ。地噺らしく脱線に脱線を重ねてあっさり終わる。これで終りなのとちょっと拍子抜けがした。
仲入り後はお互いの師匠について2人で座布団を並べての対談であったがこれはおもしろかった。対談とはいえ話題はあっちこっちと飛んでしまって、もう少しコントロールが効くと良かったかなあとも思うがこういう台本なしだからおもしろいのかもしれない。それにしても十代目文治が『抜け雀』と『三方一両損』を演らない理由が笑える。「雀が絵から飛び出すわけがねえ」と「お白州でお飯を食べるわけがない」からだって。『幾代餅』はいいが『紺屋高尾』はダメだとかわけがわからない。トリネタは志ん生師匠で有名な噺、なるほどいろいろと無理というかむずかしい噺だ。所謂「一人キチガイ」的なところが多々あってはまればすごく楽しい噺なのだろう。それにしても前に見た第8回もそうだったがこの会は少し長い。1時半開演で終了が4時半ちょっと前であった。
外に出るとまた雨が降っていたが、江戸橋を渡って浅草線の日本橋から家路につく。