鈴本演芸場11月中席昼の部

『子ほめ』 古今亭きょう介
『替わり目』 柳家喬之進
『太神楽曲芸』 翁家和楽社中
浮世床・本』 古今亭文菊
『猫と金魚』 柳家甚語楼
『漫才』 ホームラン
『紙入れ』 古今亭志ん輔
『ぐつぐつ』 柳家小ゑん
『粋曲』 柳家小菊
『もぐら泥』 柳家喜多八
仲入り
『奇術』 アサダ二世
『桃太郎』 橘家文左衛門
『掛取風景』 三遊亭歌奴
『ギター漫談』 ぺぺ桜井
井戸の茶碗柳家喬太郎

志ん橋師匠のお弟子さんが開口一番でお馴染みの噺を演り、二つ目の喬之進さんが高座に上がった辺りからそれは起きていたのだろうが、会場内に体調を崩した人がいたようだ。話し声がするので後ろを振り返ると人が通路に横たわっている。二つ目さんの次の高座・太神楽の準備を前座さんがしていたと思ったら、いったん引っ込めた座布団を再び持ってきて、一席演りおえたばかりの喬之進さんがメガネを掛けて再登場。ちょっと漫談を降って引っ込んだ。その間にその具合の悪くなった人は退場したようだ。そのせいか、和楽社中はいつもより短かったようだ。
それにしても今回お初の文菊さんはうまい。あの少年のような風貌からは予想もしなかった声音でちょっとびっくり、さらに昔の噺家を思わせる口調にも驚き、そして落語もおもしろかった。甚語楼さんは白酒さんとの二人会でも聴いた演目。あのとぼけた番頭が楽しい。ホームランの漫才はたにしさんが大活躍。歌舞伎の真似(?)が笑える。続いてこちらも初めて拝見する志ん輔さん。所謂、艶笑噺、この演目を生で聴くのも初めてかなあ。卒のないうまさであった。さらに初見のベテラン登場。名のみ知る新作であった。鍋の中のおでんの具がしゃべるというお話。お馴染みの小菊さんの三味線と唄のあとは仲トリ、喜多八師匠、初めて聴く泥棒の噺であった。仲入り後はマジック、この人も初見、ほのぼのとした舞台で、まあこういう奇術師は日本にしかいないであろう。文左衛門さんはずいぶん前に国立演芸場でも聴いた演目。それにしても着物姿がかっこいい。歌奴さんも二回目くらいかな、『掛取り漫才』の抜粋版なのかな、降りるときに『掛取り風景』といっていたから演題はその通りに記しておこう。ぺぺさんは本当にギターがうまい。トリは何を演ってくれるのかと期待していたら『井戸茶』であった。確か喬太郎さんで3回聴いている。「150両で娘を売るんですね!」は笑える。
いやいやいいラインアップで良かった。それにしても、なんども席を外す人が何人かいたが、ありゃ何をしているのかな?ちょっと目障りではある。
寄席がはねた後、アメ横をちょっとうろうろしてからで帰宅の途に着く。横浜のモアーズに移転したハンズにも寄り道をしてから家に帰った。