第十八回 京の噺家 桂米二でございます 

久しぶりの休み、珍しく前売券を購入した落語会へ赴く。
仕事終りのまま、京急の各駅停車で鮫洲まで行く。とりあえず大井町界隈をうろうろして、食事でもしようかという魂胆だ。それにしても大井町という街がいい。徐々に再開発という波が寄せてきているようだが、まだまだごちゃごちゃの路地が健在だし、住宅街も区画整理もへったくれもない迷路のような感じが楽しい。何度行ってもちょっと迷い込むと方向感覚が無くなるのだ。
その路地を歩いてみたが、連休最終日ということでほとんど閉店状態だ。昔、どこにでもあった所謂レストランという店があったのでそこでランチを食べる。特にうまいわけでもなくまずいわけでもない。テーブルの上にソースと塩と楊枝とアルミの灰皿という店だ。こういうのってほとんど無くなったような気がするなあ。
そこからJRで東京駅で下車。かなりな人出で、みんな大きな荷物を引き摺っているから歩くのが大変だ。日本橋まで歩いて三越前半蔵門線に乗って清澄白河駅。本日の会場の最寄り駅にやっとたどり着く。まだまだ時間が早かったので界隈をぐるぐる廻るが、ちょっと小洒落た古本屋と観光客目当ての深川飯の看板を掲げた食べ物屋が目に付くくらいで閑散としていた。お寺が多いので後は葬礼が一組。やっと見つけたコーヒー屋で欠伸を噛み殺す。
会場である深川江戸資料館に入って開場を待つ。なかなかきれいなところで落語を聴くには良いところのようだ。時間が来てさて入場となったら、米二師匠ご本人が受け付けてくれたのにはちょっとびっくり。さて演目。