国立演芸場 10月中席

柳家小んぶ 「子ほめ」
柳家喬の字 「蝦蟇の油」
ホンキートンク 「漫才」
橘家文左衛門 「桃太郎」
マギー隆司 「マジック」
金原亭伯楽 「猫の皿」
仲入り
大平遊平・かほり 「漫才」
三遊亭吉窓 「大安売り」
柳家小菊 「俗曲」
柳家さん喬 「幾代餅」

客の入りは6割くらいか、平日の月曜日だからこんなものだろう。ほとんどは年配者で後は私のような個人客がポツポツと、みんな夜勤明けではあるまい。
前座さんはさん喬師匠のお弟子さん。ちょっと気になるところがあったがまあこんなもんだろう。同じく一門の二つ目さん、言立ての噺だがいまひとつ笑えない。続いて漫才だが、この間のコンビよりはおもしろかった。星セントの弟子かあ。懐かしい名前だ。
次からは真打登場。文左衛門さんは確か黒門亭で見たことがある。本来は前座さんの出番の開口一番でネタおろしをしていた。演目は何だったかな?風貌が怖い、どうみてもその筋の人だ。子どもの噺で笑わせてくれた。続いてマジック。マギー司郎のお弟子さんだろう。まあほとんどマジックというより漫談という印象。仲トリはベテラン登場。枕は大師匠、志ん生の骨董好きの話を振ってから、本当に短い噺だなあ。昔、『落語のピン』で志の輔のを何回も観たが、談志がコメントしていた通り、志ん生師匠だったら5分で終わっちゃうといっていたが本当だ。途中の台詞で間違いを見つけてちょっと引っかかったが流石に上手い。
仲入りでのロビーでその伯楽が自分の著書を売っていた。
仲入りの時間に20人ぐらいの団体が入ってほぼ満員。スピーディーな夫婦漫才で、この人たちも変わらないなあ、かほりさんは美人だしスタイルもいいな等と変なところに感心してしまった。円窓門下の吉窓さんはお初で演目も初めて。なかなかおもしろい。やっぱりある程度の若手と呼ばれる噺家さんはみんな上手い。それなりに層が厚いのだろう。口演後、寄席の踊り『茄子とかぼちゃ』を踊ってから引っ込み、続いて登場したのは俗曲の小菊師匠。本来はギター漫談のぺぺ桜井の出番だったのだが、本日は代演。前にもどこかで聴いたことがあった筈。声が艶っぽくて結構。三味線というと最近は津軽三味線が席巻しているが、江戸の音は気持ちが良い。
さてお目当てのさん喬師匠登場。何を演るのか期待していたら枕も短く、恋煩いの噺。考えてみたら「紺屋高尾」は何回か聴いているがこちらは初めてか?期待が高かったのでちょっと物足りないかな。後、「紺屋高尾」での『久はん、元気?』という台詞がないので寂しい。でもまた観たいと思わせる高座でありました。
終演後はさっさっと帰宅の途に着く、もう20時間ぐらい寝ていない。と思ったら、東横線内で座っている女子高生が爆睡中。寝るだけならいいが、左右に揺れる揺れる、落ち着いて寝ろよ、まったくなんでそんなに眠いんだ等と心の中で悪態を吐く。中目黒辺りを通ったときに車外を眺めるとあまりの変貌振りにちょっとびっくり。
横浜駅で買い物をしてから帰宅。